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活動報告

<清稜監査法人>「CAATsの更なる有効活用とCAATsの継続的な実施の実現について」

最終更新日時:2019年03月06日

カテゴリー:

2019年1月28日(月)
清稜監査法人の代表社員会長 石井和也様、松田 吉彦様に、ICAEA JAPANの代表理事弓塲が、CAATsの更なる有効活用と継続的な実施を実現するために、CAATsツールを導入された経緯や今後の活用方法、また当協会に対する期待などを伺いました。

 
 石井 和也様(写真右)
 清稜監査法人
 代表社員会長 公認会計士
 【略歴】
 199310月清稜監査法人に入所。
 2008 8月清稜監査法人代表社員会長に就任。
 
 松田 吉彦様(写真左)
 清稜監査法人
 会計士補
 【略歴】
 199710月清稜監査法人に入所。

 

—貴法人の法人概要ついて教えてください

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弓塲:この度はお忙しいところお時間をいただきましてありがとうございます。
貴法人では、ExcelのVBAを駆使して高度なデータ処理を行っておられるとお聞きしました。ぜひ、詳しいお話を伺いたく、今回のインタビューを設定させていただきました。
ご承知の通り、CAATsは、監査人が「パソコンとデータを使って監査手続を実施する技法」ですので、貴法人では、既にCAATsを実務で十分に活用されていらっしゃると思います。2018年12月にCAATsツールであるACLの使い方を中心とした研修を開催させていただきましたが、その後、早速、ACLのライセンスを購入されたとお聞きしました。既にExcelを用いてCAATsを実践されている貴法人が敢えてACLを導入された背景や理由などについてお聞きしたいと思います。また、できましたら、研修の感想なども伺えればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

弓塲:まず簡単に、貴法人の概要をお話しいただけますか。

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石井様:私どもの法人は、社員が14名、職員が11名、非常勤を含めて約70名の規模で運営しています。クライアントは、金商法と会社法の監査を行っている会社が6社、金商法のみが1社、会社法のみが3社です。当法人の強みは学校法人の監査であり、全国で428社を担当させていただいています。また、社会福祉法人も17社、今年から医療法人も3社ほど増えています。

弓塲:学校法人が、428社とはすごいですね。

石井様:ほとんどが幼稚園関係になっています。

弓塲:なるほど。
限られた人数でどうやってこれだけ多くの学校法人の監査をされているのでしょうか?

石井様:学校法人の場合は、小規模の法人が多いということもあり、実施すべき手続を概ねパターン化することができています。パターン化できているので、Excelのマクロを使うことで一連の手続が実施できるようになっています。

弓塲:Excelのマクロというのは、先日少し拝見させていただいたVBAで開発されたマクロのことでしょうか。

石井様:そうですね。VBAで開発しています。
ほとんどが、特定のアプリケーションソフトから出力されるデータをソースデータとしていますので、データを自動で取り込んだ上で、月別表の作成や、その他必要な手続を大部分で自動化しています。

弓塲:現在、幼稚園をはじめ学校法人は、共通の会計パッケージを使われているのですか?

石井様:そうですね。
パッケージには何種類かありますが、学校法人、社会福祉法人も概ね共通したものを使用していますので、マクロを活用することで、大部分を自動化することができていると思います。

弓塲:その会計パッケージは、各社のパソコンにインストールされているものですか?それとも、クラウドのような形で利用されているのですか?

石井様:会計事務所からcsv形式でデータを送ってもらっています。

弓塲:とはいえ、400社以上となりますと、400以上のファイルが年次か月次で送られてくるわけで、それは、結構な作業になりますね。

石井様:まあそうですね。ただ、その業務は会計士ではなく、事務の方に対応してもらっています。

弓塲:貴法人は、上場会社もご担当されていますが、特に学校法人に強みがあるということですね。

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—既に Excel等を高度に活用して監査手続を実践されている中で、なぜ今、CAATsツール(ACL)の導入を検討されたのでしょうか?

弓塲:では2つ目の質問になりますが、すでにExcelなどを活用して監査手続を実施されている中で、CAATsツールをACLに変更しようと思われた背景や理由をお聞かせください。

石井様:変更というよりも追加というイメージでしょうか。

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弓塲:なるほど。

石井様:学校法人に関しては、従来通りのExcelで手続を実施していてもそれほど大きな問題はないかと考えています。一方で、一般事業会社は、手続を十分にパターン化することができていないので、この部分についてACLを活用してやっていけたらと思っています。
現時点では、学校法人の手法を応用して一般事業会社の仕訳分析をExcelで実施しているのですが、そのほかの手続についてはCAATsの導入は手付かずの状態となっています。また、全社員、職員が同じようなレベルで取り組んでいるわけではなく、私が中心となって実施している状況ですね。

弓塲:なるほど。
従来の手法を一般事業会社の会計監査の部分に応用できるところはしているけれど、それ以外の手続の部分で主にACLを使って、より高度化を図っていきたいということですね。

石井様:はい。その通りです。

弓塲:松田様はデータを使ってどのような手続をされているのでしょうか。

松田様:基本的には、Excelを活用して主に学校法人でデータを利用した監査を行っています。一般事業会社の監査では、私自身が仕訳テストの手続にあまり携わっていないのですが、例えば、在庫データを会社から入手して、Excelを使って再計算をしています。私は、マクロに関する知見はないため、関数やピポットテーブルなどを使って集計しています。
今後は、こういった手続も含めてACLを使って色々できたらいいなと思っています。

弓塲:既にExcelを使って在庫分析などをされているということですが、今後、ACLを使ってどういう手続をしていきたいと思われているのでしょうか。

松田様:今は再計算が中心で、集計結果が正しいかどうかという視点でしかデータを活用できていないのですが、今後は、例えば評価等の面でも活用できたらいいなと思っています。

弓塲:なるほど。
研修では、ACLのスクリプトを活用した処理の自動化と調書作成の効率化について、熱くお伝えしたつもりですが、ACLのスクリプトを実務で活用したいと思われましたか。

松田様:はい。私自身がもっと習熟していく必要はありますが、まずは、以前に実施した作業をそのまま活用できるというスクリプトの作り方からマスターしていきたいと思っています。

弓塲:そうですね。ACLはプログラム言語の知識がなくても処理の自動化ができる、スクリプトという簡易的なプログラムを作成できることが大きな強みの一つですから、是非、スクリプトを活用して監査の効率化に役立てていただきたいと思います。
さて、先程、VBAで開発したExcelのマクロを使って多くの事をされていると石井様に伺いましたが、VBAはかなり高度な知識が必要になってくると思います。そのあたりで何か課題はおありでしょうか。
たとえば、Excelのマクロをメンテナンスする際に石井様の他に対応できる方はいらっしゃるのでしょうか。

石井様:簡単なものであれば、対応できる方は居るのですが、複雑なプログラムになってくると、残念ながら現在は対応できる人材がいない状態です。

弓塲:私自身、CAATsに長年携わってきて、大きく2つの問題意識を持っていました。1つは、研修の時にもお話ししましたが、CAATsを活用した手続の調書化の部分です。如何にして簡単に、効果的、効率的に手続の実施過程を調書として残していくかということです。もう1つは、手続を実施するために作成したプログラムを他の人がメンテナンスできるようにするためにはどうすればよいかということです。
この2つの問題意識を解決する手段がACLでして、私自身が皆さんにCAATsツールとしてACLをお勧めしている理由です。
前者については、ACLで簡易的なプログラムであるスクリプトをうまく活用すれば自動的に手続の実施過程の調書が作成することができます。後者についても、VBAは言語の勉強が必要ですが、ACLの場合は、ACLが生成した操作履歴をコピーして所定の場所に貼り付けるだけで、簡単にスクリプトが作成できるため、非常に短い時間で誰でもスクリプトの作成方法を習得することができます。
私は、ACL日本語版が発売される前は様々なソフトウェアを利用してCAATsを実施していました。例えば、Accessを積極的に使っていた時期もありましたが、同僚や後輩にクエリを使ってもらえるようにマニュアルを作ったり、説明をしたりして、努力しましたが、Accessのクエリを習得できた人はほとんどいませんでした。

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石井様:難しいですね、クエリは。なかなか概念が難しいですよね。CAATsを本当に定着させようと思うと、CAATsツールで作成したプログラムを理解できる人を増やす必要がありますよね。

弓塲:はい。その通りだと思います。
今までのお話しを伺い、貴法人では、学校法人はじめ、これからは一般事業会社にもこれまで以上に積極的にパソコンとデータを使って手続を実施していくというビジョンをお持ちだと理解しました。こうした中で、プログラムを作って手続を自動化する部分の引継ぎをしていくことも重要だと思いますが、現状も踏まえてそのあたりはどのようにお考えでしょうか。

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石井様:はい。ACLを導入する主な理由の1つがそれです。
ExcelのVBAを使って自動化している手続については、私が在職している間は良いのですが、引退も視野に入ってきていますので、課題と感じています。
よって、誰でもプログラムを理解できて、作成できるようなソフトウェアが必要と思っていたところにACLのことを教えていただいたというところです。

弓塲:既にACLを導入されているんですよね。

松田様:はい。今、3ライセンス導入しています。

弓塲:それでは、これから学校法人以外のクライアントの監査でもお使いになるのですね。

石井様:はい。その予定です。

弓塲:方法論はいくつもあると思いますが、貴法人の場合、既に在庫データの再計算等をExcelで実施されているというお話でしたので、まずはExcelで実施している手続をACLに置き換えてみるというところから始められてもよいかと思います。
あるべきで言うと手続立案、データ特定、云々ですが、まずは使えるようになることが大事だと思います。
何ができるかが分かってくれば、手続のバリエーションが増えてくると思います。
例えば、上期にExcelで実施した手続を、下期にACLでやってみる、などから始められるとよいのではないかと思います。


—今後、CAATsツールであるACLに何を期待されますか?

弓塲:他に何かCAATsツールであるACLに期待されていることはありますか。

石井様:将来的に、会計もFinTechに始まってAI化が進んできており、それに対応していく必要はあるのかなと思っています。そこで、CAATsツールであるACLもそれに応じて進化していって欲しいなと思います。

弓塲:おっしゃる通り、FinTechなどは特にそうなのですが、原始証憑そのものがデータになりますので、そもそもデータを見ないと手続はできないはずですよね。

石井様:ACLを導入する2つ目の理由がそれですね。乗り遅れないように(笑)。

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弓塲:十分、キャッチアップしていらっしゃいますよ!
ただ、それはとても重要なポイントですね。AIが監査の分野でどのように活用されるのかはまだまだ予測がつかない段階にありますが、1つ分かっていることは、先ほど申し上げたようにFinTechなどはデータそのものが原始証憑になっているということです。データを使って分析できないと実質的な監査はできません。特にFinTechの分野になるとデータ量がかなり多くなるため、大量データを扱えるCAATsツールとそのCAATsツールを扱える技術を監査人が有していないと、実質的な監査ができない状況になるのではないかと思います。
ですから、大きな決断だったかと思いますが、この時期にCAATsツールであるACLを導入されたということはタイミング的にもよかったのではないでしょうか。


—中小監査法人というお立場でIT監査についてどのように対応されていくお考えでしょうか。

弓塲:次に、中小監査法人というお立場でIT監査についてどのように対応されていくお考えでしょうか。

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石井様:そうですね。
当法人にも、1名ITエキスパートが在籍しております。
そうした方から、アドバイスを得ながら今後もやっていきたいと思っています。やはり会社のITを監査する上で、IT専門家の位置付けは重要だと考えています。一方で、Excelで監査手続を実施するには限界の状況になってきています。Excelで扱えるデータ量は100万行までとなっていますが、実際に会社のデータを取り込もうとすると4,000万行ほどのボリュームとなりますので、ExcelやAccessの限界を超えており、それに対応する時期に来ていると思います。

弓塲:松田様は、IT担当をされているのですか。

松田様:もともとはITに関して素人でしたが、現在は法人内でIT担当の位置付けにあります。

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弓塲:研修にも積極的に参加いただいておりましたので、今後ご自身のキャリアとしてはどのようにお考えですか。

松田様:そうですね。
できればIT方面で何かできればなと思っています。ACLをきちっと使いこなしていくことで、自分の強みになるのかなと思っています。

弓塲:お1人でも、松田様のようなお考えを持たれている方が法人にいらっしゃると、拡がりが出てくると思います。1人習熟した方がいると、周りの方も質問しやすいですし、質問を調べたりすることで、ご自身のスキルアップになるだけでなく、周りの方々にもCAATsが身近なものになっていくと思います。さらにそれが文化として定着すると、事務所全体でかなり効率的になりますし、やっていて楽しくなると思います。是非そういう世界を実現していただきたいと思います。

石井様:そうですね。法人の中で何名か選抜した上で、ACLを自由自在に扱えるように育成していきたいなと思っています。

弓塲:そうですね。
既にACLの基本的な操作方法については、先日の研修でレクチャーさせていただきましたので、あとは使い込んでいただければ普通に操作ができるようになると思います。もし、次に研修を開催するとしたら、ACLの高度なスクリプトの研修になりますね。
一般的にプログラムは、順次処理、条件分岐処理、繰り返し処理の3つに分類して考えることができます。先日の基本編の研修では、順次処理、条件分岐処理の方法はお伝えしました。つまり、この2つの処理は、操作履歴を利用してプログラムを簡単に作成することができます。この方法でできない処理が、繰り返し処理になります。ACLで繰り返し処理をするためには、操作履歴の利用ではなく、プログラムを書く行為が必要になってきます。

石井様:繰り返し処理もACLのスクリプトで実現できるのでしょうか。

弓塲:はい、できます。

石井様:ACLで本格的なプログラムも開発できるということでしょうか。

弓塲:はい、できます。スクリプトそのものを1から作ることになりますが、繰り返し処理もできます。

石井様:それでは、大概のことはできそうですね(笑)。

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弓塲:はい。できますね。

石井様:繰り返し処理ができなかったら、監査手続として実施できる範囲がかなり狭まるかなと思っていました。

弓塲:通常の監査手続では、繰り返し処理を使わなくても概ね対応できると思いますが、貴法人がExcelで実施されているような高度な処理をACLで行いたいというお声もお聞きしていますので、今年は新たな研修コースとして、繰り返し処理やプログラム開発に必要な変数の使い方、対話型プログラムの開発法などを盛り込んだACLの高度なスクリプト研修を企画する予定です。
この研修を松田様はじめITエキスパートの方に受講いただければ、VBAベースのプログラムもゆくゆくは他の人でもメンテナンス可能なACLに置換えていくこともできるのではないかでしょうか。


—ICAEA JAPANの研修を実際に受講されたご感想は?

弓塲:では、先日研修を受講いただいて、当初期待していたこと、受講してみてどうだったかなど、忌憚のないご意見をお聞かせ願えないでしょうか。今後の改善にも活かしていきたいと思っております。

石井様:当初想定していた研修の範囲としては、まず1つ目は、ACLで何ができるか、ということを知りたかったことです。2つ目は、どうやるか、つまり操作方法を知りたかったということでした。この2つについてはかなり満足できるような研修だったと思います。

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弓塲:ありがとうございます。
率直なご意見も、お願いします(笑)

石井様:(笑)
率直な意見としては、操作方法について思っていた以上に簡単かな、というイメージを持っています。

弓塲:ありがとうございます。

石井様:これだったら誰でもできるようになるなと思いました。
いずれにしても慣れていただく必要はあると思いますが。

弓塲:皆さんExcelができるのは、それだけ多くの時間Excelを使っているからだと思います。一方で、ACLの操作ができない人が相対的に多いのはACLに触れる機会が少ないからだと思っています。

石井様・松田様:そうですね。

弓塲:私がACLを使えるのは、皆さんよりもちょっとだけACLを使う時間が長いだけだと思います。ACLでは、多くの手続がメニュー操作で実施できます。そして、操作履歴を右クリックしてコピーして貼り付けるだけでスクリプトができますので、非常に簡単だと思っています。Accessのクエリよりずっと簡単かなと思います。

石井様:そうですね、私もAccessのクエリに比べると、随分、馴染みやすいという印象を受けました。

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弓塲:研修へのご期待、すなわち、ACLで何ができるか、ACLの操作方法については、ご満足いただけたということで安心しました(笑)。
最初に研修のご依頼をいただいた時には2日間という限られた日程でしたので、どういうプログラムにすればご期待に応えることができるだろうと、正直悩みました。そこで、考えたこととしては、あとで復習していただけるように教材はフルでお渡しする、操作の流れをきちんとお伝えして、研修後に自己学習でフォローできるようにする、ということでした。
繰り返しになりますが、ご期待に添えて安心しました。


—ICAEA JAPANに期待すること

弓塲:では、最後にICAEA JAPANに期待することをお聞かせいただけますか。

石井様:ICAEA JAPANでは、ACLのスクリプト開発の支援も行っていただけるのですか。

弓塲:ICAEA JAPANは教育機関ですので、ACLのスクリプト開発のご支援は行っていません。ただ、私が代表をしている三恵ビジネスコンサルティング株式会社でCAATs導入支援をさせていただいており、CAATs導入支援の一環でACLのスクリプト開発のご支援をさせていただいています。イメージとしては、監査手続を一緒に考えて、データの特定および入手を一緒に行い、手続を実施するためのスクリプトのドラフトを私どもが作成し、その後はお客様の方でメンテナンスを行っていただくようなイメージです。

石井様:そういったサポートをしていただけると非常に助かるかなと思っています。csvであれば会社から貰えると思うのですが、それを超えて直接コンピューターからデータを貰うとかそういうレベルになってくると、ちょっと我々では手に負えない部分もあると思います。

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弓塲:ODBCで接続するというイメージですね。
もちろん個別の案件がございましたら、ご相談ください。
私は、CAATsを実務で活用できる技術者を世の中にどんどん増やしていきたいと考えており、そのためのご支援をさせていただきたいと思っております。

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弓塲:本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

 

~インタビューを終えて~


清稜監査法人様は、Excelを利用して高度なデータ処理を行われており、CAATsの先進的な事例としてお話をお聞きしました。清稜監査法人様に限らず、データを有効に活用して監査を行っている法人様は多いと思いますが、データ量の増大に伴う対応と手続の高度化や担当者間での引継ぎといった課題への対応には苦慮されている法人様も多いのではないかと改めて思いました。CAATsは技法であり、データを利用して実施する手続の立案や手続実施に必要なデータの特定なども重要な要素になってくるため、CAATsツールのみに焦点を当てることはナンセンスなのですが、とはいえ、どのようなCAATsツールを選択するかは重要な要素になります。何よりもCAATsツールの選定に限らず、手続の立案やデータの特定などに関し、方法論が社会に確立していないことが、CAATsの普及に対する課題ではないかと考えており、一つの方法論としてICAEA JAPANが提言できればと思い、活動をしています。
インタビューを通じて、今後、CAATsの普及に向けてメソドロジーとテクノロジーの普及に努めていきたいという想いを改めて強く持つに至りました。